【質問】
問題のある取締役を解任したいのですが、株主総会で決議すれば足りるのでしょうか。
手続きに不備があると無効になるのではないか、また、正当な理由がないとして損害賠償を請求されないか不安です。
【回答】
前回は取締役会を設置していない会社(取締役会非設置会社)における解任手続きのうち、株主総会の招集に関する事項を取り扱いました。今回はその後の手続きついて解説します。
【解説】
株主総会の招集後は、次の手順を踏むことになります。
【手続き③】株主総会の決議
株主総会での決議に際しては、定足数や決議要件等について、定款で何らかの規定(法律より要件が加重されていないか等)が設けられていないかを確認する必要があります。
定款に特に規定がない場合は、次のような会社法が定めるルールに則って株主総会決議を実施することになります(累積投票制度により選任された取締役を解任する場合は、次に記載するルールの一部が変更されること、ご注意ください)。
■議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有する株主が出席しているか確認(定足数、会社法第309条第1項)
(※株主総会は議決権数でカウントすることに注意を要します)
(※解任対象となる取締役が株主である場合、当然に出席することが可能です)
■出席方法の確認
(※委任状や代理による出席が認められます)
■議事進行方法の確認
(※議長の選任、動議があった場合の対処法、想定問答の準備などを含めたシナリオを策定することをお勧めします)
(※解任対象となる取締役が株主である場合、質問権を行使することが可能です。会社はこの質問に答える義務があります)
■出席株主の過半数となるのか確認(会社法第309条第1項)
(※定足数と同じく、出席株主が保有する議決権でカウントすることに注意を要します)
(※解任対象となる取締役が株主である場合、議決権を行使することができます)
■「過半数」の意味内容の確認
(※例えば、出席した株主が有する議決権が1000個である場合、過半数とは501個以上の場合を指し、500個では過半数に達したことにはなりません)
■株主総会議事録の作成
【手続き④】解任登記など
株主総会で取締役の解任が決議された場合、必要書類をそろえて、会社の本店所在地を管轄する法務局に解任登記の申請を行います。
解任決議より2週間以内に登記申請を行わなかった場合、過料の制裁など不利益処分を受けるので注意を要します。
■解任された取締役への通知
法律上の通知義務はありません。
ただし、解任された取締役が株主ではない場合、株主であっても株主総会に出席していなかった場合、解任されたか否か対象者が認識できていないこともありますので、念のため通知したほうが無難です。







